キャリアを前向きに

転職が多くてキャリアに引け目を感じたら

ライフラインチャート・サンプル
mozawa
  • 転職が多い・また失敗した
  • 仕事で「コレ」というものが見つからない
  • キャリアに引け目を感じる・後悔している

このような悩みをお持ちの方。
わかります。
私もそうでした。

今も時々そう思うことがあります。

そんな過去に対する後悔や
先々に対する不安を解消し、
キャリアを前向きに捉える。
そうなるためのお話です。

※これは、note掲載記事(2022/12/30)を加筆修正したものです。

なかなか前向きになんてなれない

私はこれまで、たくさん転職してきました。
20代~30代で7回8社。
働く業界や職種を変えたことも。

節操なく転職を繰り返していると思われるんじゃないか?
携わる期間が短く、大した経験を積んでいないんじゃないかと思われそう。
身につけたことを自信を持って言えない。

過去の失敗にばかり目が向き、くよくよと後悔してしまう。
本当は前向きに考え、進んでいきたいのに。

でも、「前向き」になんて、
なろうとしてなれるものではない。
無理になろうとしても、自分を欺くことになり、かえってつらくなる。
前向き」になれない自分が嫌になる。

そんな悩みを抱えた時期が何度もあります。

そのたびに支えになったのが、
自分のキャリアを振り返って過去を肯定的にとらえる、という作業でした。

振り返りという作業は、自分だけではなかなか難しいものです。最初はキャリアカウンセラーに相談し、話を聞いてもらいながら振り返りの作業に取り組みました。

最初はキャリアカウンセラーに相談し、話を聞いてもらうことが振り返りにつながりました。でも相談できる時間は限られているので、自分一人でも振り返りができる方法をいくつか紹介いただきました。
その中で出会った、自分でも取り組みやすいツールが、

ライフラインチャート」です。

ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、
仕事の充実度をグラフ化したものです。

ライフラインチャートでキャリアを振り返る

「ライフラインチャート」は、
以下の手順で作成します。

用意するのは、紙2枚と筆記用具だけです。

①これまでのキャリアの中で、印象に残る経験や出来事と、起こった時期を書き出す(メモでOK)

  • 自分のキャリアに影響を与えたと思える出来事や転機
  • 成功体験:
    褒められた・成果をあげた・やりきった
    チャレンジした・困難を乗り越えた
  • 失敗体験:
    ミスをした・認められなかった
    できなかった・中途半端で終わった

②それぞれについての「充実度」を点数にして書き込む

  • 自分の主観で・直感で

③縦軸を充実度/横軸を年月としたシートを用意する

  • 縦軸の充実度:プラス100~マイナス100
  • 横軸の年月に年齢を書くと思い出しやすい

④印象に残る経験や出来事があった時期・点数の位置に点を付け、各点を曲線で結ぶ

⑤各点の横に経験・出来事の内容を記入する

⑥出来事の横に、そのときの感情や行動を書き込む

  • どう思ったか・なぜそう思ったか
  • 何をしたか・なぜその行動をしたか

過去の自分が教えてくれること

これは、少し前に作成した私のチャートです。
キャリアに関する相談を受けたり研修を実施した際に、作成例としてお見せしています。
山あり谷ありで凸凹が激しく、よく驚かれますね。
サンプルとしては、分かりやすいかと(笑)。

水色の楕円が
手順⑥「感情・行動」
です。

ここまで作ったら、全体を眺めながら以下の2つについて考えてみます。

(1)自分の充実度を左右する要素は何か?

充実度が高いとき・低いとき、
どんな状況や場面で、
何をしていて、
どんな気持ちか。

ここに、
どんな思いをしたいか
こんな気分を味わいたい
といった、自分が大切にしたいこと、
つまり
価値観」が表れています。
実現したい未来」を構成するものです。

(2)充実度が下がった後、どんなきっかけで上昇し始めたか?

まわりの環境、出来事、
人や仕事との出会い。
何かしらきっかけとなった要素があると思います。

特に、上昇し始めたときにとった行動や考えたことには、自分の
強み・長所」が隠されています。

これは、つらい時を乗り越える際に発揮されるものです。

強み・長所」を認識することが、
できる」「何とかなる
と思えることにつながります。
自分のレジリエンス(回復力)といっていいでしょう。

私の(1)(2)を整理すると

●充実度が高いとき
・頼られると存在価値を感じる
・メンバーが育つとうれしい
・できることが増えるとわくわくする

●谷底に向かう下り坂のつらいとき
・行動に制約が多い環境だと苦痛を感じる
(強権的な上司・職場風土)
・できることが少ないと不満・つまらない
・心身の不調

●谷底から山へ「つらい状況を乗り越え始める」とき
・チャレンジングな目標を見つけ燃えている
・過去に学んだことが自分を助けてくれた
・ご縁やつながりに救われた

こうして書き出してみると、
充実度に影響する環境や条件
充実度を左右する行動や状態
が見えてきます。

充実度が低くなるものは、避けたり和らげることを考える。
充実度を高くするものが身近にないか見渡す。なければ探してみる。

何に取り組み、どんな選択をするのがいいか、考えるヒントになります。

「キャリアを前向きにとらえる」とは

私はこの「ライフラインチャート」に30代半ばで出会いました。
充実度が高くなっても、また下り坂がやってきて落ち込むことが何度もありました(つい最近もそうでした)。

そのたびにチャートを更新して振り返り、
いいとき、悪いとき、乗り越えたときのことを思い出します。

失敗や後悔もあるけれど、
これまでやってきたことや経験の中から、

  • できる」「何とかなる」と思える
    強み・長所
  • こんな気分を味わいたい」という
    実現したい未来・価値観

を見つける。再確認する。

そうすることで、
「また失敗するんじゃないか」
「うまくいかないんじゃないか」
という不安に立ち向かいチャレンジする勇気が湧いてきて、再び前を向いて立ち上がることができました。

前向きになる」とは
こういうことかな、という気がします。

このように、ライフラインチャートは
キャリアを前向きに考えられるような振り返りの手助けをしてくれます。

  • 転職が多い・また失敗した
  • 仕事で「コレ」というものが見つからない
  • キャリアに引け目を感じる・後悔している

そんな悩みをお持ちの方は、
年末年始や長期休みのような
ゆったりしたときにでも、
一度ぜひお試しを。

ABOUT ME
小澤将司
小澤将司
職場改善サポーター
店長、業務改善コンサルタント、管理部長を経て独立。
業務を改善しながら人材を育成する支援を得意とし、現場に入り込んで悩みを引き出し、行動を後押しする親身なサポートが評価を得ている。

産業カウンセラー
都内私立高校 心理学講師


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